柴本亜希は、やっと視線を矢楚の顔から外し、何かを考えるように視線を泳がせた。 「ほんの十五歳のこどもが、オトナの、しかも男の人の人生を、どうとでもできるんだよ。 どんな気分か、藤川くんに解る?」 柴本亜希は、また唐突な質問をぶつけてくる。 その内容は、矢楚を十分に苛立たせるものだった。 最後まで冷静であろうとした矢楚も、さすがに奥歯をぎりりと噛みしめた。 柴本亜希は、そんな矢楚の感情の振れを見てとると、満足そうに微笑んだ。 悪意があるのに、無邪気にも見えるから不思議だ。