矢楚も美鈴も、おし黙った。事態の物々しさに圧倒されていた。 父は、弁護士や裁判官とはいえ、他人の前でそこまで丸裸にされてしまう。 娘の手で。 美鈴は言った。 「私と矢楚の学費のために、そこまでやるの?」 沙与は、静かな眼差しでうなずいた。 矢楚は、ぽつりと言った。 「裁判とか弁護士とか、そんなんじゃなくて、父さんに直接頼めないかな」