美鈴は、まじまじと沙与を見つめて言った。
「それって、脅すっていう意味?」
沙与は、首を小さく横に振った。
「写真は弁護士に渡すのよ。
離婚裁判で、この家をお母さんに譲渡するようお父さんに主張する時の、資料にするの。
通常は、離婚の時には財産を夫婦で半分に分けるの。
うちが所有する財産はこの家くらい。
家を売却しても、そこから家のローン返済分を払うと考えたら、
お父さんとお金を半分に分割した場合、母さんの手元には三百万円入ればいいぐらい。それでは、足りないの」
「足りないって?」
「美鈴と矢楚の学費。今後四年で必要になる額に」


