… … … … … … それは、十日前だった。 沙与が、帰宅するなり、 母さんを父さんと離婚させるわ、と言った。 大学に合格したあと、沙与は、毎日のように叔母の家に身を寄せた母のもとへ行っては、なにやら忙しく動き回っている様子だった。 美鈴も矢楚も、離婚だと聞いてもさほど驚かなかった。 何より、母が不在の家で、これまでと同じ日常を送ることさえ四苦八苦していた矢楚と美鈴には、沙与が母と進めている離婚話など、蚊帳の外という感じだった。 その夜、沙与の計画をくわしく聞くまでは。