光の子






幸せだったわ。健人さんと過ごした、三年。


もちろん、罪悪感は、影が身に添うように、自分の足元についてまわったけど。


まだ、あの論理がお母さんを突き動かしていた。


健人さんを幸せにしたのは、私。
奥さんではできなかったのよ、私だから、救えたの、って。


いま、思えば。
健人さんに抱いた思いは。
高校生のとき、
広香のお父さんを支えた気になっていたのと一緒。


その後の恋愛で男性に捧げた真心とも、なんら、変わらないわ。



お母さんは、
“助けることができる人”を、好きになるの。

そうして、好きな人を助けることで、自分の存在価値を見いだそうとする。


いまなら、分かるの。
いつまでたっても、空っぽな自分だったことが。