でも、あの日。
お父さんが、土下座して頼んできた日に。
お母さんの未来が大きく変わったの。
あの頃のお母さんには、
何にも無かった。
趣味も、夢も、自分を大切に思ってくれる人も、
なーんにも。
だから、
お父さんに土下座までされてマネージャーになってって言われて。
これだ、と思ったの。
喜んでマネージャーになったわ。
バスケ部のために、それは、一生懸命に尽くした。
バスケ一色の青春。
とっても充実してたわ。
そう、充実してると思っていた。
でも違ったの。
三年生になってすぐ、引退試合があって。
それが終わって、お母さんもマネージャーを引退した。
そしたら、お母さんは、
また、空っぽになった。


