光の子



(母の告白)


広香のお父さんと出会ったのは、高校に入学したばかりの十五歳の春。


バスケ部だったお父さんが、靴箱でお母さんを待ち伏せして、土下座して頼んできたの。

「バスケ部のマネージャーになってください」
って。


あの頃ね、お母さんの学校では、
可愛い新入生の女の子をマネージャーに獲得するために、
男子が血まなこになっていたの。


そうよ、お母さん、可愛いかったんだから。



お母さんね、その頃、
家に居場所がなかったの。
母親が再婚したばかりで、しかも、三度目の。

母親も再婚相手も大嫌いで、だから家に帰りたくなかった。


それで高校に行ったら、バイトでも始めて、なるべく家にいないようにしたいって、そう思っていたの。


あとで考えたら、そうするべきだったのよ。


バイトして、お金貯めて、そうすれば、自力で家を出れたんだから。