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「何よ、友達とどう遊ぼうと、
矢楚にどうこう言われる筋合いはない!」
帰ってきた美鈴に、
矢楚は、さっそく亜希との付き合いを問いただした。
すると美鈴は、予想通り噛み付いてきた。
「美鈴、声を落とせよ、母さんが寝てるから」
矢楚は、この姉のことは名前で呼んでいる。
ねぇちゃん、と呼ぶのは上の姉に対してだけだ。
「柴本の金で遊んだりしたら、まずいに決まってるだろ。
第一、柴本の親がそのこと知ったら、どう思う」
「亜希ちゃんに親は、いないわよ。
小さいときにお母さんが亡くなって、
去年、お父さんも病気で亡くなったのよ」
「え?じゃあ尚更、金を無駄に使える状況にないだろ?」
「亜希ちゃんちは、大きな酒業メーカーだよ。
お父さんが社長だったの。
遺産がたくさんあるって。
亜希ちゃんが成人するまでは、
弁護士が後見人になってるから、全部自由に使えるわけじゃないらしいけど。
それでも、十分すぎるお小遣いをもらってる」


