「傷だらけでも、キレイだね、矢楚の顔」 矢楚は、唇に触れている広香の手をとると、てのひらに口づけ、そのまま頬ずりした。 「本当に日本人?」 「あぁ、おばぁちゃんが、アルゼンチン人のハーフだけど、俺は日本生まれの日本育ちだよ」 広香は何度もうなずきながら、もう一方の手で矢楚の鼻をつまんだ。 「どうりで」 広香はいたずらなほほ笑みを浮かべる。 広香のほうがよほど綺麗だけどね。 口にだしては、言えないけれど。