広香が戻ってくるから、問題なんだ。 矢楚は心でつぶやく。 こんなぐちゃぐちゃで情けない気持ちでいる時に、 本当は会いたくない。 好きだからこそ。 朝から二時間目の今に至るまで、矢楚は広香の目を見れずにいた。 広香の瞳は、湖のように澄んでいて。 うっかりのぞきこむと、矢楚の哀しみや苦悩が その瞳のなかに流れ込んで行きそうで、怖いのだ。