光の子






「おっ、こんなとこでもサッカーしとるな〜。
天才とは努力の異名ってやつか?」



知也が、矢楚が窓に書いたプレーのシミュレーション画を覗き込んで言った。



「ああ……、これは落書きだよ、身が入ってない」



プレーのイメージは、普段はサッカーノートに留めている。


頭をくしゃくしゃとかきむしって、矢楚はそのまま机につっぷし呟いた。




「こんなとこに閉じ込められてると気が滅入る」



知也は矢楚の前の席に腰掛け、おどけた口調で言った。



「あと二十分で、愛しの彼女が教室に戻って来るではないですか〜。
お前はいいよ……。
俺なんか、家でも部活でも、年中この状態だよ」




知也は顎で教室の面々を指し示し、ちっと舌打ちをした。


知也は、男ばかりの四人兄弟で、部活もバスケだ。