パシャリ、という冷えた音に、ほんのわずか、熱さが和らぐ。
しかし、続くガコンという音は不快だった。
カナタの投げ捨てたコップが畳にあたって、転がっている。
壊れることもできない、ひびのいった半端なコップ。
「なっ…………親に向かって……」
「は?親?だから何?」
蒼白になりながらも我を通そうとする母に目をやってしまったことが、失敗だった。
ほんのわずかながら弱まっていた火に、一気に大量の油が注ぎ込まれる。
ガンッ!!
カナタの右足に踏みつけられた机が悲鳴をあげた。
「ぶっ殺す」
熱くて、視界が歪む。
陽炎がひどすぎて……。
右手が、母に伸びた。
「彼方っ!!」
「………………おにいちゃん?」
たぶん、祖母の声……と?
赤く染まっていた視界が一転、真っ白くなった。
クラクラする。
暗く……、心臓の脈動だけが感じられて……。
はっ、はっ、はっ、
荒い息がもれた。
この苦しげな喘ぎは、誰のものなのだろう。
「おにいちゃん?」
それはたぶん、昼寝から起きたばかりの、愛しい……。
「ぅ……ぁあ……」
乱れた息の中、悲痛な雄叫びを聞いた気がした。
しかし、続くガコンという音は不快だった。
カナタの投げ捨てたコップが畳にあたって、転がっている。
壊れることもできない、ひびのいった半端なコップ。
「なっ…………親に向かって……」
「は?親?だから何?」
蒼白になりながらも我を通そうとする母に目をやってしまったことが、失敗だった。
ほんのわずかながら弱まっていた火に、一気に大量の油が注ぎ込まれる。
ガンッ!!
カナタの右足に踏みつけられた机が悲鳴をあげた。
「ぶっ殺す」
熱くて、視界が歪む。
陽炎がひどすぎて……。
右手が、母に伸びた。
「彼方っ!!」
「………………おにいちゃん?」
たぶん、祖母の声……と?
赤く染まっていた視界が一転、真っ白くなった。
クラクラする。
暗く……、心臓の脈動だけが感じられて……。
はっ、はっ、はっ、
荒い息がもれた。
この苦しげな喘ぎは、誰のものなのだろう。
「おにいちゃん?」
それはたぶん、昼寝から起きたばかりの、愛しい……。
「ぅ……ぁあ……」
乱れた息の中、悲痛な雄叫びを聞いた気がした。


