ミナを……ただの女の子のように見るなんて……。


この胸を引き裂いて、心を詰め直したい。

頭をかち割って、いらない回路を取り除きたい。


最低だ……。


なんとか、しなくちゃ。


帰りのバスに乗ると、ミナはもう服のことなんか忘れたかのように、ペットショップでもらったパンフレットを大事そうに眺め始めた。

その姿に、ほんの少しだけ、気持ちが和む。


「今日は疲れたから早く寝ようね」


なんと刺激に溢れた1日だったことか。

明日はゆっくり、家で過ごそう。
ミナの描きためた絵を見せてもらうのも、いい。
……ミナが、知恵熱なんかを出さなければ、の話しだが。


「夕飯、なんだろうね」


そういえば、ばあちゃんへの土産を買い忘れた。
いらないとは言われていたけれど……。


「仕方ないよね」


声に出せば、隣できょとんとするミナ。
そのあどけない表情に、思わず、頭を撫でた。


「いい子だね」


これからは今まで以上にミナを大切にしていこう。

ミナを、守らなければ。

穢れを知らない、無垢なままで。


カナタは心に刻みつけるようにそう想う。