「うそやん!今日は俺のほうが絶対早いって思ってたのに」

「あはは、私20分くらい前に来ちゃったから…」



かなり走ってきたのか息をきらせる大輔くんは、改めて私をみると優しく微笑む。



「なんか私服の優に会うの、久しぶりやな。めっちゃ…か、可愛いで」



大輔くんが照れながら言ってくれるから、私も照れ笑いをする。



「大輔くんもすごくカッコいいよ」

「せやろ。知ってる」



大輔くんは冗談っぽく笑う。




「今日はどこ行くの?」

「神戸。優、行ったことある?」

「ないよ。愛知県からすごく遠いし」

「ははっせやんな、良かった!こっからやったら阪急電車で40分くらいで行けるねんで。京都も同じくらいやからどっちにするか迷ってんけど」




神戸かぁ。

オシャレな港町っていうイメージだけど、私は神戸も京都もまだ行ったことない。



私と大輔くんは切符を買って電車に乗る。