やっぱり父上大好き!!



きれいに畳まれた着流しからはわずかに紫の匂い…。



「はっ!!ち、違うよ!?変態とかじゃないよ!?」

「…………紫には黙っとく」

「今日の父上意地悪だぁ~!!」

「俺も寂しいのかな、カワイイ息子がふたりもいなくて」



父上は天音のことを息子と思ってるの?



この人はいつも心が広い…。



「ねぇ、父上…」

「なぁに~?」

「あたしが嫁に来たら…あんまりよくない?」



ひとりで悩んでいたこと。



この人ならちゃんと聞いてくれて、いい方に導いてくれる気がする。



「俺的にはね、紫には純血ヴァンパイアと一緒になってもらいたい。人間はモロいし、理解してもらえないこともあるから」

「こんな近くに反対要員がいたとは…」

「紫の選ぶ人なら誰だっていい。今のは俺の個人的意見だから。俺が信じてやらなきゃなんねぇんだよ」



よくわからない。



それが親心ってものなんだろうか。



とにかく、紫の父上は海みたいに大きくて、空みたいに広い人。