私は決して超人じゃないけど、有難いことに周りの席の人達は、目を閉じて夢の世界へ行っている。 これなら少しくらい不審な行動を取っても誰も気付かないよね。 私は口元を手で押さえ、声を殺しながらウタクに話しかけた。 「ウタク!うるさいんだけど、どこにいるの!?」 『お前の頭の中だ。だからあまり頭を動かすな」 「頭の中……」 そういうこと。 だから私にだけ声が聞こえたんだ。 神様ってホントに何でもありなんだから。 でも……居座る場所が悪かったんじゃないかな?