男は体温が低いのか、腕の中だというのに温かさを感じない。 腕が冷たい。 ……人間じゃないから? いや、今はそんなこと考えてる場合じゃない! 「苦しいってば!離してよ!」 男の背中に回した手で体を叩いてみる。 男はダメージを負うこともなく平然と、しかし私を抱き締める腕に力を込めた。 「ふむ、身長は160くらいか?上から82、60……」 「な!何、勝手に人のスリーサイズ測ってるのよ!」 信じられない! 男の力が弱まった一瞬の隙に、私は男から勢いよく体を剥がした。