……何があるっていうの? 疑問に思いながらも言われた通り、木に背中をピッタリつけて立った。 「その状態で両腕を耳につくほど真っ直ぐ上げろ」 「こうすればいいの?」 「利口だ」 「……あ!」 妖術とか儀式とか……そういうものを想像してたのに。 ウタクに褒められ、気がつけば上に伸ばした両手首をウタクの片手で絡み取られてる。 「ウタク……これって間に合うことと本当に何か関係してるの?」 「してるわけないだろ」 「え……!?」 顔を近づけてきてしれっと言う。 ……私、また騙されたんだ!