何て考えながら私は、駅前に着いたバスを降り、和人さんの勤める美容室とは違うビルの前へ来た。

鞄から鏡を出し、久しぶりのコンタクトで目が充血してないか、メイクは崩れてないかを確認。

2人きりのデートは、専門を卒業して以来してなくて、少しばかり緊張。



「ねぇ、お姉さん。待ち合わせかなんかー?」



すると知らない人に、話し掛けられた。

鏡をしまい、相手を確かめれば、高校生だ。

…高校生が何のよう?



「うん…待ち合わせ」



私は“まだかな…”と、ビルを見上げた。

入り口を見ても、まだ来る気配はない。