去年の入学式、私は新入生代表として、挨拶をした。

挨拶をした後は、男女の代表が、3年生から花束を贈呈をされる。

私と深川君が代表だった。

深川君は覚えてないだろうけど、私は今でも覚えてる。

私が彼に一目惚れした日だから。

深川君は入試は2位…
けど今は、250人中、240位と、順位を下げている。



「帰ろう?」



「あ、はい…」



私がボーッとして居ると、深川君に“帰ろう”と言われた。

私はドキドキしながら、彼の隣に立ち足を進める。

彼が私を見下ろし、ニヤッと笑ってたなんて、私は知らない。

彼に騙されてたなんて、もっと、知らなかった…―。