「両方、買うか」



「…え?」



固まった私を残し、基槻はショートケーキとチョコケーキを両方、お買い上げ。

…これはヤバくない?;;

お姉さんに怒られちゃうよ;;

私はケーキの箱を二つ持つ基槻に苦笑しながら、渡された基槻の長財布をスクールバックにしまった。

―――家に帰れば、お姉さんは雷を落とした。



「馬鹿か――っ!!」



陽ちゃんはお兄ちゃんの元に逃げる。

私は穂波さんに止めて貰おうと近付く。



「馬鹿コが馬鹿って言ってんなよ」



基槻はお姉さんをあしらい、冷蔵庫にしまってる。

お姉さんは決して“馬鹿コ”って名前ではない。