それから数日間、英士くんは毎日あたしに顔を見せにきた。 どうでもいい理由を並べてね。 今は好きとかの気持ちはない。 だけど、このなんでもない時間に心地の良さを感じる。 決めた。 あたしは久しぶりに気合いを入れて、キッチンに立った。 カカオの大人の香りを部屋いっぱいに広がらせて。