12月。 あたしは学校帰りに紫苑と一緒に駅前をプラプラと歩いていた。 厳しい寒さに体を縮こまらせて手を擦り合わせる。 そんなあたしを見て、紫苑はそっとあたしの手を握った。 「手冷たすぎ」 「冷え症だからしょうがないの」 「手袋、買ってあげようか?」 「……いい。紫苑が手を握っていてくれた方が温かいから」 「でも、ずっと手を握っててあげることはできないよ」 「えっ……?」 どういう意味……? 思わず紫苑に視線を移すと、紫苑はクスッと笑った。