それが、紫苑に付けられたキスマークだって気付いてあたしは慌てて手の平で覆った。 やっぱりコンシーラーじゃ隠しきれなかった。 「そ、そういうのは……まだ高校生には早いぞ?」 明らかに声を震わせているお父さん。 あたしよりずっと動揺しているお父さんが可笑しい。 「お父さんだって、高校生の時……そういうことしたんじゃないの?」 からかい半分でそう言うと、お父さんはパチパチと瞬きをした後、首をブンブンと横に振った。