「だけど、今こうして姫と一緒にいるし、やっぱり良い日だな」 「また無理して笑ってる」 「無理してないよ」 そう言ってまた無理したように笑う紫苑に耐えきれなくて。 あたしは紫苑の腕をキュッと掴んでつま先立ちした。 ギリギリまで背伸びして紫苑の唇にキスをする。 触れるだけのキス。 あたしがしてあげられることはそれしかない。