やっぱり早く壁を作っておけばよかったのに。 今更後悔しても遅いよね。 見ようとするから、傷付くんだ。 見なければ、傷付かないで済む。 紫苑と女の人に背中を向けた時……――。 「一人でなにしてんの~?」 陽気な声とともに、二人組の男があたしの前で立ち止まった。