だけど、不思議と嫌な気持ちにはならない。 姫の存在が今の俺にはとても大切で。 姫を好きか嫌いかって聞かれたら、きっと好きなんだと思う。 俺が今までまともな生き方をしていれば、姫に告白したのかもしれない。 『好きだ。付き合って』 胸を張ってそう言えたのかもしれない。 でも、俺にそんなことを言う資格はない。 母親に捨てられて実感した。 俺はきっと人を愛せない。 愛されたことのない人が、誰かを愛せるわけがないんだ。