「――というわけで、新入りクンと仲良くね☆」





カルティエだか、ティファニーだか、
とにかく眩いばかりの装飾品で着飾った西園寺桜子(さいおんじ・さくらこ)はニヤニヤと下品な笑みを浮かべて言った。




リビングに集められた俺を含む4人は、思わずうなだれる。










“若者の夢を応援する”とは名ばかり、
横にも縦にもデカい西園寺グループ社長・西園寺桜子が『Baby Apartment』を作った目的は、もっと別の所にある。












頭を抱える俺とは対照的に、切り換えの早い香住隼人(かすみ・はやと)が口を開く。



「だったら、明日は歓迎パーティーですね。」




香住の王子様スマイルは、西園寺桜子を悩殺したようだ。


「あらっ!ステキ!でもぉ、残念だわぁ。明日はお仕事だから、私は参加できないのぉ。」


「残念〜!けど、桜子サマの逆ハーレム化計画は順調だネ♪」


口を挟んだのは、安達リョウ(あだち・りょう)だ。



計算されたイタズラっ子の微笑だが、それでも簡単に西園寺桜子は心臓を持っていかれたようだ。






終始、黙っている俺と、
仏頂面で立ち尽くす大瀬梓月(おおせ・しづき)。