次の瞬間、
花本千早は俺を睨みつけると、腕を振り払って足を上げた。







その強烈な蹴りは、俺の股間を直撃し………。




「☆@〒$%√――!!」






破滅的な痛みに声にならない声を上げると、はずみで階段から転がるように落下した。



背中を打ちつけて、それでも股間の痛みの方が勝っている。






気の狂いそうな痛みで、俺は股間を抑えたままのたうち回った。



キ〇蹴りって!!!ふざっけんな!!!!









階段の上から、
冷たい表情で俺を見下ろす花本千早。



「好き勝手なことばっか言いやがって、このバカヤロー!!」


声を荒げる様子は完璧にキレているようだ。




「こっちはイモが待ってんだよ!クソ下手な音聴かせやがってバカがっ!
俺がどうだろうが、テメェに関係ねぇだろう!!×××ヤロー!!
一人前に夢なんか語る前に半人前の演奏何とかしろよっ!!
今度そのツラ俺に見せたら、殺すぞ!!!」









放送禁止用語を含む罵声を全身に浴びて、俺は痛みに足掻くことしか出来なかった。





俺は哲也にフラれ、
花本千早にもフラれ………。