「アキラ、入学式ってガッコ来てたんだっけ」

「うん、生徒会はみんな行った」

 昼休み。あたしは友達と、ざわつく教室でお弁当を食べている。

 2年になって、始業式の次の日が入学式だった。お出迎えの生徒会と吹奏楽部は登校。他の生徒は自宅学習だった。

「イケメン新入生、いた?」

 梓はクッキーやチョコでデコった手鏡を覗きながら、パンを囓っている。
 鏡か食事か、どっちかにしなって。もぐもぐしながら、ボブの髪をいじって、またパンへ。

「んーあんま見てない」

「アキラ、そんなんだから彼氏できないんじゃー」

「無駄に美人だからね、アキラ」

 美由樹まで追い打ちをかける。彼女は小柄で萌え系、とでも言ったらいいのか。
 2人とも、勉強が出来て可愛いくありたいスタンスの女子で、しっかりしてて頭もいい。

 それに比べ、あたしは勉強はできてもルックスが中途半端、だと思っている。