「お前この前、図書室で園沢と一緒だっただろ。仲良いのか?」

 おおーっと。まさかの質問にビクつく。

「いえ、別に仲良いとかでは」

 何もしてないし、いや、ていうか何も見られてないと思うんだけどなー。


「お前ら、付き合ってんのか」

「は! ちち違いますよ!」


 生活指導のくせに、何言ってんだこのナマハゲ……。

 不純異性交遊はダメだとか言うのかな、一応先生だし。


「そうか。仲良いのかと思ってな……」

「なんか、あるんですか?」


 言い淀む吉永先生は、怖い顔をますます怖くしていた。


「あいつ、高校からこっち来たんだ。中学まで秋田でな」

「そう、なんですか。知らなかった」


 中学まで秋田に居たんだ。


「秋田……」

「軽く転校生っぽいだろ? だから馴染めてんのかな~って心配になったわけだ」


 身長が高くて威圧系の吉永先生は、腕を組んで、うーんと言った。


「同じ中学から自分だけってヤツも居るし、まぁそんなに気にしなくてもいいんだけどな」