「ええ、大丈夫だよ。そんなに悩んでるように見えた?」

「なんかさぁ、ヘコむじゃん、無駄に噂とかってさぁ」

 美由樹は、言葉を選んでくれている。分かる。

 その優しさが嬉しかった。少し、目頭が熱くなってしまった。


「あんまり気にしてないし。黙ってればいいし、あんな噂!」

「アキが良いなら、いいんだけど」


 あたしは、意識して元気な感じで答えた。

「なんかあったら、言うことー」

「うん、分かった」

「アキ勉強中?」

「うん、とりあえずこれから。宿題あったじゃん」


 受け答えをしながら、少し鼓動が早くなる。


「そだね、じゃあ切るわ」

「美由樹」

「うん?」


 今日ね、生徒会室で。