「アキんちのお母さんのクッキーもっと食べたい。ウマい」

「ほんとー!」

 もうあと2枚しか残っていない。女子の食欲半端ない。ケーキ食べたけど、クッキー別腹とでも言うのでしょうか。

「美由樹もケーキもう無いの?」

 無いわーっていう美由樹の声に、3人で笑った。変な声だったから。



 夕方、美由樹のお母さんが帰ってきて、夕飯を作ってくれた。チキンカレー。

 美味しくて、おかわりしたかったけど、ちょっと我慢。梓はおかわりしてたけど。


「あーだめ、眠くなってきた」

 時計は夜中の3時半。

 もう少し待てば、空が白んでくる時間帯。美由樹の部屋にはテレビがあって、もうこんな時間におもしろい番組なんかやってない。

 そして3人とも意識が朦朧としてきている。

 布団は敷いてあって、枕を抱いたりしている。美由樹は自分のベッド。


「落ちるかも」

「あたしも」

「冬海のバカ」


 仲間外れはどれか。


「冬海のバカー!」

「お、なんだ突然。食べ過ぎ?」


 梓が眠い目をこすって聞いてくる。でも、あたしも眠い。