「そっか……おばあさん入院してんだ」

 ごめん、梓……。全部は言えない。

「美由樹が来たら教えるわ。ごめんね梓。心配してくれてたのに……」

「ううん、いいよ」

 授業が始まる。
 間もなく先生が来て授業が始まるだろう。急いで教室に入ってくる美由樹が見えた。こっちにピースしてたから、手を振った。


「晃、大丈夫?」

 梓が、まるで泣きそうな顔であたしを見る。だから、なるべく笑って言った。


「うん、大丈夫」

 ……なにが。

「……大丈夫」

 だから、なにが?

「アキ……」

 だめ。

「アキ!」