守りたかった。あたしの気持ちを、冬海の気持ちを。

 2人の気持ちを。



 あなたが汚していく傷と心、体。あたしは守れなかった。


 なんで、あたしは大人じゃないんだ。ぐっと握った手には爪が食い込む。何もかも足りなくて、大事なものも守れない。

 不完全でいるって、なんて苦しい。


 2人でずっと一緒に居られると思っていた。

 曇りなく好きっていう気持ちさえあれば、寄り添っていられると思っていた。

 どこかで間違い、どこかで迷ってしまった。


 あたしの中の、この気持ちだけが迷子になって、進めなくて、そして風化していくのかもしれない。


 骨だけになって。魂は、なんて小さいんだろう。