「お出かけしてるんですかね」
「どうだか……。幸田、お前も書け」
「何を?」
「来たって証拠にメモでも残して行こう」
そう言うと吉永先生は、自分の鞄から小さいメモ帳を取り出した。「これ使え」と手渡されたのを見て、あたしは笑ってしまう。
「なんだよ」
「なんでパンダのメモ帳。可愛い~」
ふんにゃりしたパンダのイラストがあるメモ帳だった。似合わない、似合わな過ぎる。
「彼女がくれたんだよ、使うでしょって。使わないって言ったけど、いま使う!」
照れくさそうに、でも口を尖がらせて吉永先生は壁にメモ用紙を当てて文字を書きだす。ラブラブね、先生可愛いわ。
そのメモ帳に、あたしは「先生と一緒に来ました。連絡ください。アキラ」と書く。長い文章は書けないから。
吉永先生は、自分のとあたしのメモを一緒にしてふたつに折り、ポストインする。
部屋からは灯りも漏れていない。やっぱり誰も居ないみたいだけど。
「帰ろう。もし園沢から連絡があったら、明日でいいから俺に教えてくれ。俺も番号書いたんだけど」
「分かりました」
きっと冬海は吉永先生には連絡しないだろうな。だからってあたしに連絡が来るとは限らないけど……。
「どうだか……。幸田、お前も書け」
「何を?」
「来たって証拠にメモでも残して行こう」
そう言うと吉永先生は、自分の鞄から小さいメモ帳を取り出した。「これ使え」と手渡されたのを見て、あたしは笑ってしまう。
「なんだよ」
「なんでパンダのメモ帳。可愛い~」
ふんにゃりしたパンダのイラストがあるメモ帳だった。似合わない、似合わな過ぎる。
「彼女がくれたんだよ、使うでしょって。使わないって言ったけど、いま使う!」
照れくさそうに、でも口を尖がらせて吉永先生は壁にメモ用紙を当てて文字を書きだす。ラブラブね、先生可愛いわ。
そのメモ帳に、あたしは「先生と一緒に来ました。連絡ください。アキラ」と書く。長い文章は書けないから。
吉永先生は、自分のとあたしのメモを一緒にしてふたつに折り、ポストインする。
部屋からは灯りも漏れていない。やっぱり誰も居ないみたいだけど。
「帰ろう。もし園沢から連絡があったら、明日でいいから俺に教えてくれ。俺も番号書いたんだけど」
「分かりました」
きっと冬海は吉永先生には連絡しないだろうな。だからってあたしに連絡が来るとは限らないけど……。



