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冬海と、同じ校舎に居るんだから、会いに行けるし、授業以外は一緒に居たっていいんだ。
実際、そうしている学年違いのカップルも居るんだから。
冬海の後をつけて、風邪をひいて熱を出して体育の授業中に倒れて、あたしは次の日から2日間、学校を休んだ。
今日がその2日目。
もう熱は下がったし、具合悪くは無かったんだけど、念のためもう1日休むことになった。
寝るのも飽きてきている。
マンガ本を斜め読みしながら、ベッドに横になっていた。枕元に置いてあるケータイが着信した。冬海からだった。
あたしは、少し迷って、出る。
「センパイ? 大丈夫なの? 寝てた?」
ガヤガヤしているから、学校からなんだと思う。休み時間かな。
「あ……うん。大丈夫」
「今日、クラス行ったら倒れて2日も休んでるっていうからさぁ。この間も休んだばっかじゃん」
冬海は、声を抑えて話しているようだ。ていうか、うちのクラスに来たの……?
「うちのクラスに? えー、冬海が来たの?」
「ちょっと覗きに行っただけだよ。前も行ったし。美由樹センパイが寄ってきてさ、教えてくれたよ、センパイのこと」



