はぁあ。ビックリしたぁ。

「生徒会の威力ってスゲーね。助かっちゃった」

 冬海が面白そうに言った。

「名ばかり生徒会だけどね。重要な事なにもしてないし」

「浮いてるもんね、センパイ」

「え、なんで?」

「教えない」

「なにそれ」

 冬海も席を立つ。「くっくっ」とか小声で笑いながら、図書室の入口まで行く。あたしもその後を歩く。

 なに笑ってんだ。からかわれてる、絶対。

「さ、また先生見回りにこないうちに帰るべ」

 2人、廊下を歩き出す。

 電気が点いてるけど、薄暗くなってからの学校は気味が悪い。さっきナマハゲも出たし。(先生だけど)

「鞄、教室にあるんだ。じゃ、ここで」

 上を指さしながら、冬海が言う。

「そっか。バイト頑張ってね」

「あーうん」

 バイトしてんだ。弱く笑って、冬海は階段を上っていった。