新作コーナー、邦画、洋画、アニメをさらっと眺めて、棚の群れから出る。
ふっとブックコーナーに目をやって、驚きで呼吸が止まった。思わず棚に体を隠す。
冬海……!
レンタルスペースからブックコーナー低めの本棚から、体半分と顔が見える。紛れもなく制服姿の冬海だった。
堂々と、隠れるでもなく制服のままで、まだ学校終わってないはずなのに、なんでここに居るの……? 早退したんだろうか。
DVDの棚の隙間から、冬海が少し見える。
なんだか真面目な顔をして、本棚を見ている。あのへんは何の本が置いてあるんだろう。
落ち着け、落ち着け! どっちみち、冬海を探してたんじゃないか。
駅で見つけようが本屋で見つけようが、同じことじゃないの。冬海に見つからないように注意しなくちゃ。
呼吸を落ち着かせながら、DVDの棚から冬海を見ていると、さっと顔を上げて移動をし始めた。手に問題集のようなものを持っている。
レジへ向かうのかも。そう思って見ていると、冬海は思った通りにレジへ行った。お金を払い、紺色のビニール袋に問題集を入れてもらい、その場で通学鞄に入れていた。そして、そのまま足早に出口へと向かって行った。
あたしは慌てた。
追いかけなくちゃ……!
自動ドアを出ながら、冬海は制服のポケットからケータイを取り出して、何か喋っている。見失わないように……と思ったけど、ここから駅まで見晴らしが良くて、あたしが冬海に見つかってしまうんじゃないかと少し心配。注意しなくちゃ。
ケータイで会話を終えたみたいで、またポケットにしまっていた。
キョロキョロと道路を見渡して、歩き出す冬海。
あたしは、レンタルショップの外にある自動販売機の影に身を隠していた。
趣味悪いよね。ストーカーみたい。でも、これしか方法が見つからない。
今日ははじめからこのつもりだった。
冬海を駅で待ち伏せして、ちゃんと家に帰るかどうか。今日このまま、冬海が駅に向かって電車で家に帰れば、あたしも帰ろう。
バイトに行くかもしれないけど、それだって本当のことが分かるはず。
どこへ行くのか、分かるはず。
こんなこと……あたしだってしなくない。でも。
ふっとブックコーナーに目をやって、驚きで呼吸が止まった。思わず棚に体を隠す。
冬海……!
レンタルスペースからブックコーナー低めの本棚から、体半分と顔が見える。紛れもなく制服姿の冬海だった。
堂々と、隠れるでもなく制服のままで、まだ学校終わってないはずなのに、なんでここに居るの……? 早退したんだろうか。
DVDの棚の隙間から、冬海が少し見える。
なんだか真面目な顔をして、本棚を見ている。あのへんは何の本が置いてあるんだろう。
落ち着け、落ち着け! どっちみち、冬海を探してたんじゃないか。
駅で見つけようが本屋で見つけようが、同じことじゃないの。冬海に見つからないように注意しなくちゃ。
呼吸を落ち着かせながら、DVDの棚から冬海を見ていると、さっと顔を上げて移動をし始めた。手に問題集のようなものを持っている。
レジへ向かうのかも。そう思って見ていると、冬海は思った通りにレジへ行った。お金を払い、紺色のビニール袋に問題集を入れてもらい、その場で通学鞄に入れていた。そして、そのまま足早に出口へと向かって行った。
あたしは慌てた。
追いかけなくちゃ……!
自動ドアを出ながら、冬海は制服のポケットからケータイを取り出して、何か喋っている。見失わないように……と思ったけど、ここから駅まで見晴らしが良くて、あたしが冬海に見つかってしまうんじゃないかと少し心配。注意しなくちゃ。
ケータイで会話を終えたみたいで、またポケットにしまっていた。
キョロキョロと道路を見渡して、歩き出す冬海。
あたしは、レンタルショップの外にある自動販売機の影に身を隠していた。
趣味悪いよね。ストーカーみたい。でも、これしか方法が見つからない。
今日ははじめからこのつもりだった。
冬海を駅で待ち伏せして、ちゃんと家に帰るかどうか。今日このまま、冬海が駅に向かって電車で家に帰れば、あたしも帰ろう。
バイトに行くかもしれないけど、それだって本当のことが分かるはず。
どこへ行くのか、分かるはず。
こんなこと……あたしだってしなくない。でも。



