月光レプリカ -不完全な、ふたつの-




「あなたの彼氏、売春で稼いでるんでしょ?」


 ……?


「大人相手に、体、売ってるんでしょ?」


「……は?」



 薄気味悪いものでも見るみたいな顔をして、マミ先輩はあたしを見ている。同時に冬海のことも見ている。今、なんて……。


「なんて……? うそ」

「うそじゃないし。あたし知ってんのよ。……て言っても知ったのつい最近だけど」

「そんなわけ……デタラメ言わないでください!」

「デタラメじゃないから」


 食ってかかったあたしにマミ先輩の顔が険しくなる。なんでデタラメじゃないなんて、言えるの?


「いつからやってるんだか知らないけど」

「……」


 なんて言って良いのか分からない。

 どう言い返せば覆せるのか。マミ先輩の言葉はとうてい信じられることじゃなかった。


「……幸田さん、知らなかったの?」



 冬海が、売春……?