ザーっという音で表現できそうな勢いで教室が空っぽになっていく。
部活に行く人とか帰る人、彼氏とか彼女とかで待ち合わせだとか、どこどこに寄ってから帰ろうとかいう友達たち。
あたしは早く生徒会室に行かないといけないのに、なんだか足が重い。
中尾先輩は今日、生徒会に顔を出すだろうか。できれば来ないで欲しいんだけど、虫が良すぎるよね……。
グズグズしていても仕方がないので、鞄を持って席を立つ。もう教室にはあたししか居なかった。遠くにザワザワしたものを感じながら、教室を出る。
なんか、こういう感じ多いかも。教室にいつまでも残ってるっていうこの状況。
「……やっぱ行こう」
ひとりごとを言ってしまった。
行こう、冬海のクラスに。授業中は「よし、行くぞ!」って思ってたのに、終わった途端に気合が入らなくなってしまった。だから教室でいつまでもグズグズしていた。
生徒会室に行く前に冬海のクラスに行ってちょっと覗いてくれば良いだけなんだけど。
いざ行こうと思うと足が進まないんだけど、早く行かないと生徒会に遅刻する。
ああもう、何やってるんだろう。小走りで1年生の階に行く。



