月光レプリカ -不完全な、ふたつの-




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 自分は何のために生きているのかとか。

 浮かぶのはあの人の笑顔とぬくもりばかりで、薄暗い中で天井を見ながら、頭に響く苦痛と悲しさの中で手を伸ばすんだ。


 この部屋にある、飾りも無い貧相で小さなテーブルの上には缶ビールが1本と、吸い殻が数本ある灰皿。

 白い天井。

 カーテンで遮られた太陽。



 君はいま、何を考えているんだろうか。





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