振り向いて姿を見て、思わず呼び捨てしちゃったけど、後ろから腕を掴んで来たのは冬海だった。制服姿の。当たり前だけど。
「呼び捨て? いいなそれ」
ニヤリとしてる。
「ちょっと、何やってんの」
とっさにそんな風にしか言えなかった。大丈夫なの? 体調は? とか聞けばいいのに。
「おいっす」
「き、昨日休んだって聞いて、今日も休みなのかと思って!」
そうあたしが言うと、冬海は頭を掻いて「あー」とバツの悪そうな顔をした。
「昨日、ちょっと熱っぽくて。ばーちゃんが寝てろっていうから。遅刻して行こうと思ってたんだけど」
やっぱり風邪だったのかしら。顔色は悪くなさそうだけど。
「目が覚めたら夕方だった」
「寝過ぎ」
へへ、と冬海は笑って「もう治ったし」と、歩き出す。あたしは横に並んだ。
電車から降りて行った大勢の生徒は、ほとんど先に行ってしまった。
「昨日、学校で冬海くんのクラスの男子に会ったんだよね。そしたら休んでるって言ってて。あたしに何か知らないかって聞いてきたから……」
「まじで」
頭を掻きながら冬海が言った。「あいつらセンパイに会ったのか」ってひとり言。
「呼び捨て? いいなそれ」
ニヤリとしてる。
「ちょっと、何やってんの」
とっさにそんな風にしか言えなかった。大丈夫なの? 体調は? とか聞けばいいのに。
「おいっす」
「き、昨日休んだって聞いて、今日も休みなのかと思って!」
そうあたしが言うと、冬海は頭を掻いて「あー」とバツの悪そうな顔をした。
「昨日、ちょっと熱っぽくて。ばーちゃんが寝てろっていうから。遅刻して行こうと思ってたんだけど」
やっぱり風邪だったのかしら。顔色は悪くなさそうだけど。
「目が覚めたら夕方だった」
「寝過ぎ」
へへ、と冬海は笑って「もう治ったし」と、歩き出す。あたしは横に並んだ。
電車から降りて行った大勢の生徒は、ほとんど先に行ってしまった。
「昨日、学校で冬海くんのクラスの男子に会ったんだよね。そしたら休んでるって言ってて。あたしに何か知らないかって聞いてきたから……」
「まじで」
頭を掻きながら冬海が言った。「あいつらセンパイに会ったのか」ってひとり言。



