「マックいこ、マック!」

 終了のチャイムが鳴って、教室が再び騒がしくなる。鞄にノートなどをしまっている時に、美由樹が声をかけてきた。梓も寄ってきた。

「なんでいっつもマック~美由樹、太るよ」とまた鏡を見るのは梓。

「ポテト食べたいんだもん」

「いっつもだっつの」

 2人のやりとりを見ていて、おかしくて笑った。

「ごめん、あたし図書室行って、本の返却してこないと」

 そう。実は延滞気味なのだ。

「あーアキラが入ったら出てこない、魔の図書室」梓は口に手を当ててオーバーに言った。

「出るよ、2時間くらい待っててくれれば」口を尖らせて言ってみる。

「ヤダ」

「ポテトー」美由樹が言った。

「うっせっつの」

 この「なんとか、だっつの」というのは梓の口癖。飽きない、この2人。あたしは2人が大好きだった。