窓の鍵を開けると、腰くらいの高さにある窓を冬海はヒョイとまたいで図書室へ入ってきた。
誰も居ないのは分かっているけれど、キョロキョロしてしまった。まるで悪いことでもしている様な。……別に悪くないんだけど。
入ってきた冬海は、パシンとガラスの戸を閉める。その時に抜けていった風が、シャンプーか何かの香りを鼻まで持ってきた。
「勉強? さすが」
「えーと、うんまぁ……って、土足だよ冬海くん」
真っ白いままのノートを見られたくなくて、閉じながら土足の事なんかを言ってみる。そんな事どうでもいいのに。
「帰んないの?」
学校指定の靴を脱ぎながら、冬海が聞いてきた。
「あ、うん。そろそろ」
「んじゃ待ってるから、外」
「え?」
「だって駅まで一緒じゃん?」
誰も居ないのは分かっているけれど、キョロキョロしてしまった。まるで悪いことでもしている様な。……別に悪くないんだけど。
入ってきた冬海は、パシンとガラスの戸を閉める。その時に抜けていった風が、シャンプーか何かの香りを鼻まで持ってきた。
「勉強? さすが」
「えーと、うんまぁ……って、土足だよ冬海くん」
真っ白いままのノートを見られたくなくて、閉じながら土足の事なんかを言ってみる。そんな事どうでもいいのに。
「帰んないの?」
学校指定の靴を脱ぎながら、冬海が聞いてきた。
「あ、うん。そろそろ」
「んじゃ待ってるから、外」
「え?」
「だって駅まで一緒じゃん?」



