伊藤君がクラス会を盛り上げるためにビンゴゲームを開始した。





景品が世界一周旅行のために皆が熱中していた。









伊藤君は司会を務めていた。








「そろそろ、ビンゴゲームでビンゴが出ると思われます。
さあ、次の番号は…」







ルーレットが回った。






伊藤君はルーレットから球を一つ取った。






「八十一…」





皆はため息や喜び声を出した。








私のカードにはなかった。









次がある…







その時…








一人が手を挙げた。








伊藤君は手を挙げた人に声を掛けた。










「おめでとう。
それじゃあ、せっかくなので壇上に上がってください」








私は誰だろうと思い、手を挙げた人を見た。








先ほど見た、煙草を会場で吸おうとした男だった。







皆は誰だろうと戸惑いを浮かべていた。










伊藤君はそんな皆の反応も無視してマイクを男に渡した。











男はマイクを受け取ると伊藤君に話しかけていた。









マイクから会話が小さく流れた。










「伊藤、俺は世界一周旅行よりも隣に置いてある双眼鏡がほしいんだけど…」












「しょうがないだろ。早く当たったんだから。
ほら、皆が待っているぞ」