私は資料を読み終えた。









「伊藤君。いつもの報告よりも軍施設の被害が激しいと思うけど、何かあったの。
たとえば、新技術が投入されたとか」







「いいや。指示通りに軍施設を壊滅させただけだ」






「それなら、しばらくはこの国からの攻撃はないと考えられる」






「了解。次の国はどこがいいと思う」












私は首飾りを外した。







<条件>
・資料
・各国の経済状況









私は結論を出してから、首飾りを再び付けた。














「『ラン』がいいと思うわ。
経済状況からそろそろ軍の整備が終わっていると思うから」










「『ラン』か。了解」







伊藤君は手帳を取り出し、メモした。













私は仕事で様々なシミュレーションをしている。






その中で重要な仕事が今回のような仕事だった。





軍施設の破壊。







この仕事は『ヘブン』を守るための仕事と言ってもいい。








『ヘブン』を良くないと思う国が手を組み、一斉に襲いかかれば、『ヘブン』は一瞬で滅ぼされてしまう。









たとえ、超越者がいたとしても…数が多すぎる。








それを防ぐためにできるかぎり各国の軍施設を破壊して、この状況にさせないようにしている。