現実世界へ向かう数日前…


私達『C』は一度集まることになった。


この世界で私に夫、アカネに伊藤君、山本君と過ごした思い出を残すためだ。


『C』が結成時に撮った場所で再び写真を撮ることになった。


私達の始まりの場所であり、終わりの場所でもある。










伊藤君はカメラの準備をしている。

私は車いすに座り、準備を待った。




「よし、できた」




伊藤君は設置を終えた。


夫は以前撮った写真を見ている。


私もあの写真を肌身離さず持っている。


私達の絆を象徴しているものだからだ。




「辻本、本当にその格好で撮るのか」




私の隣で山本君がアカネの姿を見て、驚いていた。




「うるさいわね、あなたも同じような格好じゃない」




アカネは法被を着て、山本君はマントを着ていた。


二人共、似たような格好をしていた。




「おい、ミコト。早く来い」

「待って」




夫は写真を手帳に仕舞い、私達の方へ来た。


五人は以前撮った写真と同じように並んだ。










私達はこれから最後の集合写真を撮る。