朝になると、班全員に号令がかかった。


昨晩、アカネとヨシトさんが話していた内容を再度聞いた。


話が終わるまで皆は頷いていた。




「―――以上が私達にできる最善の策です」




アカネの説明が終わると、反論が出た。




「具体的に何をするべきでしょうか」




策があっても実行する内容は話されていなかった。




「実行部隊は他の班の調査を行います。
そこで食糧の取り方や有力な人間を探します」


「有力な人間を見つけたら………」




皆口には出さないが答えは分かっているのだろう。


ただ、確認を取るために聞いた。




「ここに連れてきなさい」




当たり前のように話す姿は逞しく感じられた。


でも、やることは『人さらい』だ。




「大丈夫、実行部隊はここに連れてくるだけでいい。
あとは待機部隊がやります」


「アカネ………」




私は不安要素を今の内に取り除こうとした。




「何」


「連れて来られた人はどうなるの」


「尋問よ。大丈夫。
痛いことはしないから」




アカネは笑っていたが、私は怖かった。