この日、私たちは昼から水しか口にしていない。


私は調査で見つけた水飲み場の場所まで行き、水を飲んだだけだ。


このままでは、明日には飢え死にする恐れがあった。




「アカネ、相談があるんだけど」




暖かい火を見ながら、私は提案をした。




「どんなこと」




疲れているのか、いつものような気迫が感じられなかった。




「私達、18人で役割を決めるべきじゃないかな」




今までのことを振り返って、それが最善の策だと思えたからだ。


最初は山への不安があり、団体行動をした。


でも、これでは効率が悪かった。


二つに分かれることで余裕時間が出来る。


その間でも団体行動としてその場を動けない。


つまり、仕事量が低いことになる。


18人で役割を分担することで効率が増えると考えた。


それに私は車いすであり、行動範囲や速度、さらに余分な仕事が増やすことになるためだ。




「いいわ」




アカネは頷いた。


さっそく役割を決めた。


実行部隊と待機部隊の二チームを作った。


実行部隊は他チームの調査、食糧の調査を行う。


ただし、食糧は動物以外とする。


14人で二人ずつ分かれて七班を作り、行動する。


待機部隊は指令、物作り、水の保管、食糧の保管を行う。


この班はアカネが担当する。


役割を決め終えた。


皆が明日のために眠りに入ろうとした。




「ボス、気になることがあるんですけど」




突然、思いついたかのようにヨシトさんがアカネに相談した。




「何、仕事の話なら明日にして」




疲れを癒したいのか、これ以上の話は明日にしてほしいとさえ聞こえた。




「他グループとの協力が禁止なら、協力しないのはいいんですよね」